本の出版に際して思うこと

Satoshi Takeda
6 min readOct 5, 2020

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https://www.irasutoya.com/2014/10/blog-post_41.html

一つ前の記事で出版のご案内を書きました。この文章は執筆経緯や感想、反省などを書いて言い訳したり将来に役立たてたりしよう、という投稿です。

企画と構成、滑り出し

もともと声をかけていただいたのが昨年 12 月で出版社の方と顔合わせをしたのが 1 月、その場で少し書くことについて企画をし始めてから構成(目次の作成)に入りました。今回 2 名での共著なんですが、最初は 3 名で書くつもりでした。3 名で結実できなかったのはまた後述。

2 月中旬に目次と構成を作って担当の方に出版社内で企画書を通していただき、3 月上旬最後のオフラインミーティングで執筆担当箇所や今後の進め方などを決めています。執筆お話いただいてから約 3 ヶ月くらいですね。この時点では出版目標を 6 月に設定して進めています。

これ以降は、新型コロナウィルスの猛威が世間を覆うようになり、直接会うことが憚られウィルスに関しても情報が薄く危険性を感じて、執筆メンバーはもともとフロントエンドランチ用に使っていた Slack と Zoom などで進捗を共有するようになります。出版社の方とは基本的にメールベースでコミュニケーションしています。

一度文章の精度を見ていただくために 3 月中旬すぎに 2 章分を書いて担当の方にレビューいただくという手順を踏みました。そこである程度書籍全体のトンマナを補正しておこうという感じです。共著の安達さんには書籍で取り上げる実践コードを書いていただくという出だしでした。

新型コロナウィルスと執筆

執筆メンバーはみな家庭を持っていてそれぞれの生活があります。お子さんも 3〜7 歳くらいでまだまだ手がかかり目の離せない時間も多いでしょう。コロナ禍の在宅勤務において取り沙汰されることが多かったと思いますが、家庭と仕事のバランスがなかなか取れず、執筆にも影響しており悩んでいました。

当初 3 名だった執筆メンバーは途中 1 名が離脱となります。これは新型コロナウィルスによる在宅勤務や転職まもない状況という理由が大きく、執筆する時間の捻出が難しいというものでした。

2 名で引き続き執筆することになりますが、個人的な話を取り上げるとコロナ禍により状況はどんどん悪くなります。

  • 小学校入学予定の長男は休校となり 6 月いっぱいまで自宅学習
  • 復職予定だった妻もそれに合わせて就業時期をずらす対応
  • 保育園入園予定だった長女も合わせて登園を自粛

どんな状況下でも家族はひとつ屋根の下で常に一緒にいることになります。ブログでも少し触れたように

子どもがいることで集中できる束の時間が確保できなかったりはするので仕事上きっついなーと思うことはかなりある

ここにつきますが、仕事中はまだ放っておいてくれるからいいものの、仕事外では執筆する時間なんかほぼゼロに近くなる。よって早起きして何とか時間を捻出していました。その代わり夜は子どもと一緒に就寝する感じです。夜 9 時くらいには布団に入って 4~5 時台にコソコソ起き出す生活は今も続いています。

執筆中もうどうもこうもならんというタイミングでは、妻に嘆願して休日お昼までの 3 時間だけもらって執筆に当てたりもしていましたが、早起きで進捗を出してたことがほとんどです。

さらに、分かっていたことですが、7 月に入ると小学校再開と保育園登園と妻の復職がたたみかけ、また生活が変わってきました。

  • 妻が早朝出勤(6:00)のため 6:30 には朝ご飯の準備をしだす
  • 小学校へ向かう長男を見送る(彼は自主性があるのでほとんど手がかからないんだけど)
  • 長女に朝ご飯を食べさせる(全然手を付けなかったり機嫌悪かったりするんだ…これが)
  • 夏休み中の 7 月, 8 月は学童も行かせていたので弁当を作らなきゃいけない
  • 洗濯したり洗い物したりな家事をそこそこ

こんな感じだったので執筆は相当牛歩で、担当の方に何度もメールで締切延長のお願いばかりしていました。爆発的な進捗はなく地道に隙間を縫うように書いて結実したということもあり、マラソンで言えば後半フラフラで歩きながらゴールしたみたいな感じです。

不足していたもの

ここまで言い訳への大きな前フリを書いてますが、そういったわけで十分な時間があったとは言えません。

当初予定していた構成・目次から省いたものもありますし、アウトラインにはあったものの具体的に文章化していないものもあります。

何より時間がない中、変な切迫感で書いていたのでまったく余裕がなかった。セルフレビューや著者間の査読はしているものの、知り合いや頭出ししていた方にお願いする予定だった査読やテクニカルレビューがほとんどできなかったというのが現状です。自信がないわけではありませんし内容に迷いがあるわけでもありませんが、開発している時と同様、十分なレビューがないというのは安心感が薄いというのが正直なところです。誰かに見つかってマサカリ飛んできたらどうしよう、みたいな。

何より執筆ということ自体が初めての経験だったので、最初からもう少し余裕のあるスケジュールを考慮できればよかったのかもしれません。担当の方がだいたいこういったスケジュールでやっています、と言うところに寄りかかったスケジュールだったので、ズルズル締め切りを延ばすよりは状況を考えて引き直すというのをもう少し早めにしておけば良かったのかも。

そういったひーひー言わざるを得ないスケジュールの中で、考えるスピードや判断するスピードが幾分早く感じられもしました。途中からは割り切ってやっていたので、書きたいことがあるなら今だと Zenn で書いたりするのが一番自分のリズムで落ち着いて書ける気がします。文章を書いて伝えたり物事を砕いて伝えたりすることが他の人より チョットデキル とは思っているので今後も文章を書きたいとは思うものの、商業誌としてまた成就したいかというとまた別の話な気もしますね。

というわけで、執筆に際しての反省と言い訳を終えます。

妻と二人の子どもたちにしてもしつくせない感謝を込めて。

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Satoshi Takeda
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Written by Satoshi Takeda

web app developer frontend oriented by day and alcoholic enthusiast by night | フロントエンド開発入門著者

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