在宅勤務を続けるということ

Satoshi Takeda
4 min readJun 6, 2020

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会社に所属する理由は放置しておくとゴリゴリ削れていくぞ、という話という文章が Twitter に流れてきたので読んでいた。

在宅勤務でも業務は回る、は、事実なんだろう。業務はな。でも失われていくものがあることを認めなければいけない。家にいても仕事できるなら、わざわざ従業員になる意味ってなんだ?

自分は媒体にある内容でしか推し量ることができないけど、卜部さんが組織内でどういった仕事をしているかという点、業務以外で組織に所属する意味を見出すためにとった方策であるという点は踏まえる必要はありそう。

観点は全く違うんだが在宅勤務についてモヤモヤしていたことがあったので自分の思うところをとにかく書き殴っておきたいと思う。

在宅勤務をしだして 3 ヶ月以上経って、所属組織や所属チームの仕事仲間の話を聞いてると「このまま在宅で良い」という話がまぁまぁチラホラ出ている。

わたし自身はモブプロを推進しているのでリモートでのモブプロのやりづらさを序盤から感じてしまい、最初からこれは無理ゲーとずっと思ってたし、今もリモートでモブプロする難しさを感じつつ日々成果を得たり得なかったり探り探りでやってる。

ここ何ヶ月かで在宅での仕事環境には慣れこそしたが、序盤から今まで一貫してずっと、未来永劫、在宅勤務なの? それでいくの? みたいなのがある

前段の文章読んだりして気付いたんだけど、そのモヤモヤってリモートになったことで

  • 電車通勤がない
  • 集中して家で作業できる
  • プライベートが大事にできる

これらの在宅勤務の大きなメリットがやたら話題の中心になるモヤモヤなんじゃないだろうかと思い始めた。個人としても家庭とのバランスが最高!ともちろんメリットと感じている部分はあるが、個人がプライベートを大事にし集中して仕事ができるということをもってして組織としての成果がバカみたいに上がるわけじゃないし、個人がその組織にいる意味ってなんだろみたいなお節介が湧き上がってくる。

ここ 1 年以上モブプロの推進や小さなチームのチームビルドや開発プロセス脱構築してアジャイル再解釈・再定義みたいなことをしたり、開発プロセス改善や土壌づくり、日々の改善みたいなことを仕事仲間と愚直にやっている。

なので、人と関わることで分かることとか、対話の中で印象付けられる関係性とか(その関係性が目に入ってくることも含め)、成果が出せている事実など、こういったものが幸いにも自分は目の前にあって信頼している以上、在宅勤務のメリットとして関係性・社会性を遮断したものが上がってくるとモヤモヤするんだろう。自分がやってきたことをリモートで実現するためにどうするかみたいなことも考え実践してはいるけども。

個人の考えなので在宅勤務で日々快適に仕事ができている人たちに対して苦言を呈したいわけでもなんでもない。

従業員になる意味、ここではチームにいる意味と限定するけど、それを在宅勤務というリモート環境で伝えることが難しいからモヤモヤもするんだと思ってる。明確にすることでチームにバインディングできるかは怪しいもんだ(し、リモートじゃないときも出来ているか怪しいもんだ)。

“人生のかなりの部分を占める仕事に費やす時間を無視して、仕事以外にのみ個人的な充足を求めるならば、幸せですべてがそろった人間になる機会はごくわずかでしかない”
学習する組織― システム思考で未来を創造する

自分の中ではほとんどここに集約されていて、より良い人生のためにより良い仕事をするということを直接語らず、仕事や人生という胡散臭そうな言葉を使わず、いかに気持ちよくチーム(ひいてはプロダクトとか組織なんだろうが)に貢献してもらえるかを在宅勤務という縛りの中で考えてく必要はあるよなあという感じ。

「そもそもそんなこと考えて仕事してないんですけど」と言われてしまうと、こちらの勝手なお節介ではある。なのでリモートになる前からそもそも強烈にメッセージングしてるわけではなかったし。

随分前からリモートワークを中心にして成果を上げているケースをもっと知る必要はあるんだろうけど、COVID-19 により急に広まってく常時在宅勤務(IT や Web 系の企業を中心だろうけど)という流れの中で、何か重要な観点が抜け落ちたままそこに向かいたくはないなというモヤモヤを解消すべく、また月曜から自宅から面倒くさそうなおじさんの立ち回りをしていくんでしょうよ。

(ミニマリズムや個人主義の極地にいる人とは真逆の立ち位置になるので、自分の考えは一般化されるような感じではないという認識ももちろんある)

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Satoshi Takeda
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Written by Satoshi Takeda

web app developer frontend oriented by day and alcoholic enthusiast by night | フロントエンド開発入門著者

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